私だってキミが好き

ノスリさんと

また明日、を抱きしめて

多くの海兵は毎日忙殺されるほどの仕事に終われ一日を終えることとなる。海軍本部に配属された者は地域の見守りだけではなく、数多の遠征にも繰り出される。期間は場合によりまちまちではあるが、基本的な仕事は世界の平和維持のために海賊相手の戦闘や捕らえた奴が居ればインペルダウンまでの運搬となる。そしてそれを終えて海軍本部に戻ってくれば誰もが嫌がる事務作業が待っている。だが長期遠征から事務作業まで終えた人間には必ず連休が与えられる。そして、まさにその休暇を与えられたノスリが欠伸を噛み殺して歩いていた。

「ごめんね!カレンちゃんにスピカ!そこで待っててね!」
「う……。」
「すぐ戻るから!」

ノスリの瞳にはポツリと残されたカレンとスピカの姿が映っている。
カレンとは誰か?つい一年ほど前にノスリにとっては忌まわしき海軍大将青キジことクザンに拾われてきた少女のことである。多く見積っても二歳ほどにしか見えないが今年で五歳らしい。それでもまだ片手で足りる年齢ということだ。
そしてスピカとは誰か?先述したカレンの兄の鳥である。ガチモンの鳥だ。種別はウミウキドリというらしい。どうしてカレンという人間の兄に鳥であるスピカが収まったかなんてノスリには知ったことでは無い。だが、ここの海軍本部でのびのびと遊べるような存在ということはノスリの守るべき存在の範囲に入っていることには変わりない。だから父親のクザンが居ない時は目をかけてやろうと思ってはいた。……いたのだがかれこれ一年ほど積極的な関わりを持てないまま過ごしてきた。そんな海軍本部の愛しき幼女ことカレンはアルベールと石蹴り遊びでもしていたのか地面に残る輪を数秒見つめて立ち尽くしていたがふるふると頭を振るうとそのまま近くの草むらにお尻を落とした。

「たく……。せめて椅子あるところに座らせて待たせてやれよ。」
「う?」
「カレン、スピカ、おいで。」
「う!」
放っておけなかった。ノスリが動き出した理由はそんな所だ。だって小さな子供が寂しそうにしてたら構ってやるのが大人だってノスリは教えられたんだ。

「おなまえ、なあに?」
「そっか、自己紹介してなかったね。ノスリだよ。よろしく。」

ノスリに抱き上げられたカレンはのほほんと名を尋ねた。ノスリの中ではカレンとの初対面はそんなにいいものでは無かったと記憶している。それもそのはず。だって初対面でノスリは一緒に居合わせたクザンと普段と同様の口論を繰り広げた結果、カレンに怯えられてスピカの背に隠れられたんだから。ノスリを尊敬している後輩のアルベールに窘められた程の最悪の出会いだ。

「う!のすりさん!……また、ぱぱとけんかした?」
「……うん。よくしてる。」
「そっかぁ……。」

なんならさっきもすれ違ったクザンと一戦交えてきたが敢えてノスリは教えない方の選択肢を選んだ。ノスリが子供に対して選ぶ選択肢はできるだけ優しいものである。この世界は酷く残酷だから。護ってやるの大人が少しでも優しい世界を与えてやってもいいだろうとノスリは考えていた。ベンチに座らせると遠慮なく膝に座りたいと強請ってきたカレンを好きにさせているとスピカと共にノスリの太腿にお尻を預けた。ノスリはそのまま何がしたいのかと見守っているとカレンはじいと瞳を覗き始める。

「のすりさんのおめめきれぇね。」
「そう?ありがとう。」
「う!やさしいおめめなの!」

まん丸な頬っぺたを赤く染めて褒められると照れが出てくるのは必然だろう。カレンの笑みに釣られてノスリの口角も上がる。
だがそんな二人の背中に騒がしい声が水を指す。

「あーーー!!ノスリさんいい所に!!」
「うるせェ。」
「今日明日非番ですよね!?」
「そうだよ。で?」
「急遽遠征が入ってしまったのでカレンちゃんのお相手をよろしくお願いします!!」
「はいよ。任せな。」
「頼もしい。さすがノスリさん!ありがとうございます!クザンさんの部屋は鍵空いてるのでカレンちゃんの着替えとかは勝手に持って行ってください!」
「わかったわかった。さっさと行かねぇとバカが逃げんぞ。」
「それな。カレンちゃん!スピカ!いい子にしてるんだよ!」
「う」
『まかせろ』

騒がしい声の持ち主、アルベールは騒がしさをそのままに要件だけを押し付けて嵐のまま去っていく。

「という訳で今日と明日はわたしの部屋にお泊まりだね。」
「おとまり!」
「そう。なにしたい?」
「えっとね、かれんはね、」

____ぐぅ

そんな可愛らしいお腹の虫が二人の会話を遮った。

「まずは晩ご飯だね。」
「おなかすいた。」
『肉ーー!!魚ーー!!』
「食堂行こっか。」
「う!」

ぺこぺこ虫のカレンとスピカを抱き上げてノスリは歩き出す。目指すは食堂。今日の昼ごはんのメニューは何だったろうかと考えるノスリの目の下にクマがあることなんてキャッキャッグワグワと鳴く幼児二人には分かるはずもなかった。


/////


「あひるさん!」
「……スピカがいるじゃん。」
「それはそれ。これはこれ。」

幼児の癖に言いよる。ノスリの感想である。
事の発端はお泊まりに持って行きたい物を探してきてとノスリがカレンに指示したことが始まりだ。「う!」と元気よく返事をして颯爽とポテポテ走り出して行った。と思ったらアヒルさんのお家と書いてある箱に入った大量のアヒルを持ってきたのだ。カレンのお眼鏡にかなうアヒルは知り合い似のアヒルだけのようで父親のクザンを筆頭に多くの海兵似のアヒルが入っている。カレンはノスリに一羽一羽、丁寧にそれは誰なのかを教えようとしていたがノスリはそれを謹んで遠慮している。

「せめて二羽にしよう?」
「う。じゃあぱぱとあるべーるさんにする!」
「うん。えらいね。」

ノスリとカレンの希望を擦り合わせた結果、厳選するという道で和睦を得た。二羽のアヒルを抱えてノスリは新たな荷物を探しに行く。目当ては衣類だ。

「なんかダサい服多くね?」
「それはぱぱとあるべーるさんがえらんでくれたやつ。」
「なるほど。」

そして見つけた服の一部はなんだかとりあえず可愛いだろうとフリルやレースをやたら使われていたりよく分からない動物の絵柄がある服が過半数を超えている。ノスリの予想ではアルベールのセンスの無さが原因だろうと考えていた。そして一部のセンスのある服はヒナやたしぎ辺りのおかげのものだろうとも。一つの溜息を零した後にノスリはカレンにある提案を投げかける。

「明日はウォーターセブンに行こうか。」
「…………おちゅうしゃ?」
「警戒心高めだね。お洋服見に行こうよ。」
「おかいもの!いく!」

ウォーターセブンで悪い思い出でもあるのだろうか。カレンはその言葉を聞くと二、三歩後ずさりスピカを抱えて盾にする。そんな様子のカレンにノスリは苦笑いを浮かべつつも可愛い服の厳選を止めない。その甲斐あって何とか不測の事態に備えて三セット分の可愛いが出来上がった。

「じゃあ明日は早いからもう戻って風呂にしようか。」
「おふろ!」
「寝る時に絵本でも読む?」
「よんでぇ!!」
「じゃあ1冊だけ持ってきて。」
「う!」

再び颯爽とポテポテしながら絵本を選びに行ったカレンを他所にノスリはスピカに問いかける。

「スピカはお洒落する?」
『リボンを結んでくれ!』

スピカが咥えて持ってきたのは可愛い水色のリボン二本であった。どうやら妹とお揃いとのことらしい。

「りょーかい。」
『ありがとう!』
「のすりさんこれぇ!」
「はいはい。任せて。」

荒らしたクザンの部屋を粗方片付けて、ノスリの部屋に一行が訪れた時には既に夜空に星が輝く時間帯になっていた。明日はお出かけということもあり就寝は早めなければならない。そもそも遠征終わりのノスリは最初から眠い。となればさっさと済ませたいのが入浴である。

「目ぇとじて。」
「う〜!」
「ん、いいこ。」

ノスリは柔い髪の毛に指を通しながら適温のお湯を流していく。子供用のシャンプーを泡立てて頭皮に乗せて揉み込むように優しく洗ってやると、カレンは楽しいのだろうか。よく分からない歌の鼻歌をこぼし始める。

「なんの歌?」
「ぱぱがうたってるおうた!」

聞いて損した気がするがそれは声にも顔にも出さないようにノスリは務めた。

「かれんがせなかあらってあげるの!」
「ほんと?ありがとう。」
「う!」

ごしごしと声に出しながらモコモコの泡を纏った体を洗うタオルでノスリの丸まった背中を流すカレンはやはり楽しそうである。その楽しそうが伝播したのかバスタブのお湯の上で浮いていたスピカも先程の歌をグワグワと口ずさんだ。

「スピカと一緒にアヒルで遊んでて。」
「う!」

ある程度の所で背中流しのお礼を伝えて終わらせたら今度は湯船に浸かって体を温める時間だ。ノスリが体を預けれるサイズのバスタブにカレンを放牧し、持ってきた二羽のアヒルで遊ぶように促す。その間に洗髪などを済ませようというノスリの算段が見て取れる。

「くざんさん!またおしごとさぼってー!」
『あらら〜見つかった〜。』
「さっさとしごとしろぉ!」
『絶対にヤダ。かわい子ちゃんが近くで応援してくれないとやる気出ない。』
「……ぱぱ、またおさぼりさんしてるかなぁ。」
『してるだろうな。』

言われてんぞ父親。たった一年で娘と息子(?)見抜かれてんぞ。ノスリの感想である。
アヒルを用いた遊びのはずなのにリアルすぎるやり取りである。ノスリの耳にはスピカの声はグワグワとしか聞こえないはずなのに自動翻訳が適用されるほどだ。

「わたしもいーれて」
「『いーいよ!』」

ノスリの洗髪を終えたら一緒に湯船に浸かって百まで数える。こういう日常生活の至る所で子供の学びはあるのだからバカに出来ない。数を数える練習も大切な勉強だ。百まで数え終えた頃にはカレンの体はぬくぬくのぽかぽかになっている。暑いと目線で訴えかけられるのでお風呂を上がりふわふわのバスタオルで包み込んだら次はお着替えの練習となる。一人でボタンを全部閉じれるかなの挑戦が始まった。

「できた!」
「えらいえらい。」

二個程かけ違えていたがここは目をつぶって褒めることにしたノスリはそっとかけ違えてるボタンを直し、カレンに歯磨きを促した。だが歯磨きの途中でカレンの頭はコクリコクリと上下運動を始める。

「カレン、あー。」
「あ〜〜。」

あ〜の口を開けるのも辛そうなので手早く的確に歯磨きの仕上げをしてやり、うがいをし終えた頃にはカレンは半分夢の世界に突入していた。これでは絵本はまた次回に持ち越しである。ノスリは自身のベットにスピカとカレンを横たわらせて自分も大人しく一緒に布団に潜り込んだ。早めの就寝となるが寝不足の体には丁度いいくらいの睡眠時間になる事だろう。

「のすりさん、おやすみ、なさい、また、あした、ね。」
「うん、おやすみ。またね。」

ノスリの人差し指を握って眠るカレンの姿に少しだけ泣きそうになったのはノスリだけの秘密だ。
そんな感傷を抱いたからだろうか。ノスリは深い眠りにつく途中である夢を見た。

__ああ、これは、夢だ

そうやってノスリが認識できたのは取りこぼしたはずの命が記憶のままの姿で目の前で笑っていたからだ。

「ノッくんだ!」
「ノッちゃん!おかえりなさーい!」
「お前ら、どうして、」
「どうしたのノッくん?顔青いよ。大丈夫?具合悪い?」

ノスリの体調を心配して駆け寄る男の子が一人。

__こんなのは悪い夢だ。そうに決まってる。だってこんな素敵で幸せな夢を見たら戻れなくなってしまう。

「わたし、お医者様のおじいちゃんを呼んでくる!ノッちゃん待ってて!」

ノスリを心配して医者の真似事をする老人を呼びに行こうとする女の子が一人。

__やめろ。行くな行くな。お願いだから。

「やめろ、行くな!__!!__!!戻ってこい!!」

__わたしの手からこぼれ落ちないでくれ。

「のすりさん/ノッちゃん!」

気がついたら泣いていた。
そしてカレンに呼び戻される形で目が覚めたノスリはやはり先程の光景は悪い夢だったのだと自覚する。

「…………かれ、ん」
「かれんは、ここにいるよ」
「そう、だったね。うん、怖がらせてごめんな。」

まだ取りこぼしていない。この命は守れる命だ。この温もりがそう訴えてくる。
だから次に瞼を閉じても同じ夢は見ないだろう。そんな漠然とした確信でノスリは再び眠りの世界へと瞼を落とした。


/////


幼児の朝は早い。まだ眠るノスリの頬をペチペチして起こすくらいには早い。まだ半分寝ているノスリとスピカに対してカレンは目を爛々に輝かせてフルスロットルである。

「わああ!」
「賑わってんなァ。」
「う!」

そんなカレンに早く早くと促されながらやってきたウォーターセブンは賑わいをみせていた。道行く人々の中には海賊と思わしき人物も居るが今日のノスリはオフで子連れのため見逃してやることにする。

「カレンは何色が好き?」
「えっとね、うんとね、」
「ゆっくりでいいよ。」
「かれんね、あおいろがすきなの。おそらとうみのいろ。」
「今日のリボンと一緒の色ってこと?」
「そう!」

目当ての洋服店に向かうまでの間、ノスリはカレンの好みを探っていた。せっかくお洒落をするならば本人が来ていて楽しい方が良いだろうという配慮からだ。女の子=ピンクが好きという単純明快なアルベールの思考が読み取れそうな服たちの前では自分の好きな色も言い出しにくかったのかも知れない。そんな中、水色のリボンを選ぶスピカはさすが兄である。父親たちはまだ把握していないカレンの好きな色もバッチリ押さえているということだ。

「じゃあこのコーディネートはいかがでしょう。お姫様?」
「わああああ!かわいい!!」

子供服を主に取り扱う店でノスリが選んだのは袖口にフリルがあしらわれた白のTシャツに星を散りばめた様な青色のチュールスカートだった。踵がペタンコなパンプスに兄とお揃いの水色のリボンを髪に結えば可愛らしいお姫様の出来上がりである。可愛らしい洋服を纏った可愛いお姫様はテンション爆アゲ。ルンルン気分で洋服店を後にする。なんだか今にでも踊り出しそうなくらいのテンションだ。そんなカレンの頭を撫で回しながらノスリは辺りの屋台を観察する。そして目星を付けた店にカレンを誘導しながらのんびりとした足取りで向かうこととなる。

「これなあに?」

時刻は昼前。ノスリが目をつけたのは様々な具材をトッピングとして挟んで販売するベーグルのお店であった。

「ベーグル。平たく言えばパンかな。早いけどメシにしよう。苺とバナナとウィンナー。どれがいい?」
『どれにする?』
「えっとね、わけっこ!」
「わけっこ?」

カレンが迷わないようにと選択出来るトッピングの中で好みそうな物をノスリが挙げたのにカレンから返ってきたのはまさかの"全部"であった。

「かれん、ぜんぶのあじたべたい。」
『食いしん坊な妹なのであった。でもおれも全部の味気になる!』
「りょーかい。」

食いしん坊兄妹のリクエストに応えてノスリは店主に注文を行う。そして焼き上がった熱々もちフワベーグルに挟まった具材をカレンの望み通りにわけっこで堪能する一行。そんな一行に絡みに行こうとする不届き者の輩はノスリの人睨みで逃げ出していくので何とも平和な食事の時間を過ごせた。
その後の一行は雑貨屋やお菓子屋に寄りながら帰りの海列車までの時間を潰す。ノスリは自身に似たアヒルをカレンにプレゼントするという人生で初の経験を得ながらウォーターセブンを後にし、エニエスロビーを通り抜けてマリンフォードに帰ってくる。その頃には日は傾きオレンジ色の空へと変わっていた。そしてマリンフォードの港の様子もだ。ノスリ達が到着したのと同時刻に港に寄せれた海軍船はクザンが指揮するものだ。それに気がついたノスリは腕の中で眠りかけていたカレンとスピカを起こしながら海軍船に歩を進める。

「お前とカレンちゃんってそんなに仲良しだっけ。」

海軍船から真っ先に降りてきた男の発言である。男の名はクザン。正真正銘、カレンの父親である。

「いや、昨日今日で仲良くなった。」
「ね!」
「ねー。」

くふくふくすくすと笑い合う二人に何だがジェラシーが湧いてくるクザンである。

「ほら、カレン。バカとアルベールが帰ってきたよ。」
「うん。ぱぱ、あるべーるさん、おかえりなさい。」

……。
…………。
………………。
長い沈黙が訪れた。そしてついに耐えられなくなったアルベールが騒ぎ出す。

「いつもならお出迎えのハグがあるのに!!今日は!!!?ないの!!!?寂しい!!!!」
「うるせェ。お前そんなキャラだったか?」

幼女の可愛さの前では皆下僕になるのである。お猫様と一緒だ。そんなテンションで騒ぎ立てるアルベールにも何処吹く風。カレンはノスリの腕の中から頑なに降りようとしない。どうしたもんかとノスリが首を捻っていると父親のクザンが口を開いた。

「あらら。随分と懐いちゃって。」
「……!お前より好かれてるかもな。」
「いや、おれの方が好かれてるから。」
「どうだか。」

普段ならこのまま口喧嘩を一戦や二戦ほど繰り広げるはずの二人だが、ここは小さな女の子のメンタルケアを最優先に動くこととなる。ノスリの腕の中でノスリのシャツをギュッと力の限り握りしめて離れないぞと訴えるカレン。そんな幼児の為にノスリはまろい頬に自身の頬を擦り寄せて内緒話のような声色で語りかけた。

「カレン」
「!」
「また明日、な?」
「……!うん!またあしたもあそんでね!」

しょぼり顔から一転してニコニコ笑顔になる魔法な言葉。
生きてるならまた明日がある。寂しくて離れられないなら寂しくないようにしてあげればいい。
二人の命が続く限り、幾度となくこの運命は交わることになるのだから寂しがる必要なんてないんだ。カレンは数度、ノスリと同じように頬を擦り寄せる。そして悲しみの消えた背中を見せながら地面に降り立つとクザンとアルベールの元へ駆け寄った。いつしかこの頬を擦り寄せる行動が二人の挨拶のような定番の行動になることは今まだ誰も知らない。

「またね!のすりさん!」
「うん。またね、カレン。」

だが子供の相手なんてそんなもんだ。毎日が新たな発見に満ち溢れているのだから。
夕日が欠ける空の下、ノスリは寂しい自室に戻るために歩き出した。